05 ROUTINE 習慣・朝活

出張が多い40代の体調管理|移動・ホテル・時差で崩れないための実践策

出張で体調を崩す主な原因は、睡眠の短縮、長時間の座りっぱなし、外食と飲酒の3つです。睡眠時間を先に確保し、移動中は水分と足の運動、ホテルでは光と温度を整えます。早朝移動や時差の調整法も解説します。

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Business Athlete 編集部
ホテルのベッドの上に置いた出張用のキャリーケースと、たたんだワイシャツ、耳栓、水のボトル

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Key Pointsこの記事の要点

  1. 出張の不調は「睡眠の短縮・座りっぱなし・外食と飲酒」に分けて考えると、対策を事前に決めやすくなります。
  2. 長時間の移動では、水分をこまめにとり、ときどき足を動かし、アルコールを控えることが血栓予防として勧められています。
  3. 時差のある出張では、2日未満の滞在なら現地時間に合わせない、東行きは朝の光を浴びるといった調整が有効とされています。
目次7
  1. 出張で体調を崩す原因は何?
  2. 出発前と移動中は何をする?
  3. 早朝移動・前泊はどう判断する?
  4. ホテルでよく眠るには?
  5. 海外出張の時差はどう調整する?
  6. ホテルの部屋でできる運動は?
  7. 今日からやること

出張で体調を崩す原因は、睡眠の短縮・長時間の座りっぱなし・外食と飲酒の3つにほぼ集約できます。対策は3つです。出発時刻から逆算して睡眠時間を先に確保します。移動中は水分をとって足を動かします。ホテルでは光と温度を整えます。早朝移動、ホテル泊、海外出張の場面ごとに、時刻と量の目安をまとめます。

出張で体調を崩す原因は何?

出張の疲れは「移動で疲れた」とひとまとめにされがちです。原因を3つに分けると、事前に打てる手が見えてきます。

原因起こりやすいこと対策の軸
睡眠の短縮早朝出発、慣れない部屋、会食後の夜更かし就寝時刻を先に決める
座りっぱなし新幹線・飛行機・車で数時間動かない水分と足の運動
外食と飲酒駅弁や会食で量と塩分が増える、深酒1日のうち1食を整える

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、成人について6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保することを勧めています。出張中はこの6時間が最も削られやすい部分です。会議や移動の予定を入れる時点で、睡眠も予定として扱いましょう。

帰ってからの立て直しは「起床時刻」から

出張から戻った翌日は、疲れていてもいつもの時刻に起きることを優先します。睡眠ガイド2023は、朝に日光を浴びると体内時計が整い、夜の寝つきが良くなるとしています。足りない睡眠は、翌日の夜に早めに寝て補います。

  • 帰宅した夜は、移動中に食べ過ぎていたら軽めの食事にする
  • 翌朝はいつもの時刻に起き、カーテンを開けて光を浴びる
  • 出張中に運動できなかった分は、翌日以降の通勤で歩く距離を増やして取り戻す

出発前と移動中は何をする?

出張前のチェックリスト

  • 帰りの便・列車と翌日の始業時刻を確認し、就寝時刻を決めた
  • 耳栓とアイマスクを入れた
  • 歩きやすい靴で移動する(革靴は現地で履き替える)
  • 締めつけの少ない服装を選んだ
  • 常備薬は日数分より少し多めに持った
  • ホテルの部屋の希望(エレベーターから離れた部屋など)を伝えた

長時間移動では「水分・足・アルコール」を意識する

厚生労働省は、エコノミークラス症候群の予防として次のことを挙げています。狭い座席で長時間足を動かさずにいると、血液が固まりやすくなるためです。

  1. ときどき軽い体操やストレッチをする
  2. こまめに十分な水分をとる
  3. アルコールを控える。できれば禁煙する
  4. ゆったりした服装にし、ベルトをきつく締めない
  5. かかとの上げ下ろしをしたり、ふくらはぎを軽くもんだりする
  6. 眠るときは足を上げる

実際の移動に当てはめると、次のような目安になります。

  • 乗車・搭乗したら、500mL程度の水かお茶を手元に用意する
  • 1時間に1回を目安に、かかとの上げ下ろしを20回する
  • 2時間を超える移動では、一度は席を立って通路やデッキを歩く
  • 車の運転では、休憩のたびに車外に出て歩く

注意 片脚のむくみや痛み、急な息苦しさや胸の痛みがある場合は、移動中でもすぐに乗務員に伝えるか医療機関を受診してください。

移動中の食事は「主食+たんぱく質+野菜」

駅や空港での食事は、丼や麺の単品になりがちです。単品で済ませる場合は、ゆで卵、サラダ、具の多いおにぎりなどを足して、主食・たんぱく質・野菜をそろえます。コンビニでの選び方はコンビニのサラダチキンの活用法も参考にしてください。

コーヒーは眠気対策になりますが、量とタイミングに注意が必要です。睡眠ガイド2023は、カフェインの1日の摂取量が400mgを超えないことを勧めています。これはドリップコーヒーでカップ4杯分(約700mL)にあたります。さらに、夕方以降のカフェインは夜の睡眠に影響しやすいとしています。移動中の1杯は午前から昼過ぎまでにしましょう。

早朝移動・前泊はどう判断する?

出発時刻から就寝時刻を逆算する

早朝の新幹線や朝一番の便は、前夜の睡眠を削る最大の要因です。起床時刻から6時間以上さかのぼった時刻を、前夜の就寝時刻として先に決めます。

出発時刻起床の目安就寝の目安(6時間確保)
6:004:4522:30
7:005:4523:30
8:006:450:30

自宅から駅や空港までの所要時間によって、起床時刻は前後します。表の起床時刻は、身支度と移動に75分かかる場合の例です。

前泊を考える基準

次のどれかに当てはまる場合は、前泊を検討する価値があります。

  • 起床が4時台になる
  • 前夜に会食や残業が入り、22時台の就寝が難しい
  • 到着後すぐに重要な商談やプレゼンがある
  • 帰りも遅い時間になり、2日続けて睡眠が6時間を切りそうだ

前泊の費用は会社の規定にもよります。ただ、睡眠不足の状態で重要な会議に臨むリスクとてんびんにかけて判断する価値はあります。

車内の仮眠は短めに

睡眠が足りない朝は、車内で眠るのも一つの手です。米国CDCは、短い仮眠(20〜30分程度)が覚醒の助けになる一方、長い昼寝は夜の寝つきを悪くするとしています。午後の眠気への対処は昼食と短時間仮眠のコツで詳しく解説しています。

ホテルでよく眠るには?

最初の夜は眠りが浅くなりやすい

慣れない場所で最初の夜に眠りが浅くなる現象は「第一夜効果」と呼ばれます。2016年にCurrent Biology誌に発表された研究があります。初めての場所で眠る夜は、脳の左半球の深い睡眠が浅くなっていました。その夜は物音への反応が強く、目覚めやすいことも示されています。2日目の夜にはこの差は見られませんでした。

ホテルで寝つけないのは珍しいことではありません。音と光の刺激を減らすことが現実的な対策です。

チェックイン後にやる部屋の調整

  1. 音:エレベーターや製氷機の音が気になる部屋なら、早めに部屋の変更を相談する。耳栓を用意しておく
  2. 光:遮光カーテンをすき間なく閉める。テレビや機器の待機ランプが気になる場合はタオルなどで覆う
  3. 温度:睡眠ガイド2023は、夏の寝室はエアコンで涼しく保つことが重要だとしています。暑すぎも寒すぎも避ける
  4. 入浴:睡眠ガイド2023は、就寝の1〜2時間前に入浴して体を温めると寝つきやすいとしています。ユニットバスでも、できればお湯をためて入る
  5. スマホ:睡眠ガイド2023は、寝室にスマートフォンなどを持ち込まず、できるだけ暗くして寝ることを勧めています。充電はベッドから離れた机で行う

耳栓は、遮音の目安となる数値(dB)が表示されたものを選ぶと比べやすいです。耳の穴の大きさには個人差があるため、柔らかいフォーム素材やサイズ違いのセットだと合わせやすくなります。出張用には、鞄の中で汚れにくいケース付きが扱いやすいです。

朝食ビュッフェは「いつもの朝食」に寄せる

ホテルの朝食は品数が多く、出張中に食べ過ぎやすい場面の一つです。皿に取る順番を決めておくと迷いません。

  1. 野菜や汁物を先に取る
  2. 卵・魚・納豆・ヨーグルトなど、たんぱく質のおかずを1〜2品取る
  3. ご飯かパンを、いつもの量だけ取る
  4. 揚げ物、菓子パン、デザートは、会食のない日に1品までにする

昼食が弁当や会議中の軽食になる日は、朝食でたんぱく質と野菜を確保しておくと1日のバランスが取りやすくなります。

会食後の夜に気をつけること

出張先では会食が入ることも多いでしょう。睡眠ガイド2023は、アルコールは一時的に寝つきを良くするものの、睡眠の後半の質を悪化させるとしています。眠るためにお酒を飲む「寝酒」も推奨されていません。

  • ホテルに戻ってからの追加の1杯はやめる
  • 締めのラーメンなど、帰りがけの「もう1食」を避ける
  • 部屋に戻ったら水を1杯飲んでから入浴・就寝の準備をする

会食での食べ方と飲み方は会食が多い40代の太らない食べ方・飲み方でまとめています。

海外出張の時差はどう調整する?

米国CDCの旅行医学の資料「Jet Lag Disorder」をもとに、ビジネス出張で使える要点を整理します。

東行きは西行きより調整に時間がかかる

CDCによると、体内時計が新しい時間帯に合う速さの平均は、西向きで1日1.5時間、東向きで1日1時間です。日本から北米への出張は東向き、欧州への出張は西向きの移動です。北米出張や欧州からの帰国は調整に時間がかかりやすいので、到着翌日に重要な予定を入れる場合は注意しましょう。

滞在日数で方針を変える

  • 2日未満の短い滞在:CDCは新しい時間帯に合わせないことを勧めています。睡眠・食事の時間を、できるだけ日本時間に近く保ちます
  • それ以上の滞在:出発前の2〜3日、就寝と起床を1日1時間ずつずらします。東向きなら早め、西向きなら遅めにします

光とカフェインの使い方

調整の方向浴びたい光避けたい光
東向き(時計を進める)朝の明るい光夕方以降の光
西向き(時計を遅らせる)夕方の光早朝の明るい光

到着したら、まず屋外に出て現地の日中の光を浴びることがCDCでも勧められています。カフェインは現地の日中に使い、就寝前の数時間は避けます。CDCは、カフェインの半減期を約5時間としています。また、機内での飲酒は控えめにすることも勧めています。

ポイント 睡眠を助けるサプリメントや睡眠薬を使いたい場合は、自己判断せず、出発前に医師に相談してください。持病の薬を飲んでいる人は、服薬の時刻をどの時間帯に合わせるかも確認しておきましょう。

ホテルの部屋でできる運動は?

出張中は歩数が増える日と、会議室にこもって極端に減る日の差が大きくなります。厚労省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、成人に次の量を推奨しています。1日約8,000歩以上の身体活動と、週2〜3日の筋力トレーニングです。出張中もこの目安を意識し、足りない日は部屋で補いましょう。

朝の10分メニュー

種目回数ポイント
スクワット10回×2セット椅子に座る直前まで腰を下ろす
壁か机を使った腕立て伏せ10回×2セット体を一直線に保つ
その場での前後ランジ左右各8回上体をまっすぐ保ち、ゆっくり行う
プランク20〜30秒×2回腰を反らさない
かかとの上げ下ろし20回移動前のふくらはぎ対策も兼ねる

床が硬い部屋では、バスタオルを敷くと膝や肘が楽になります。下の階への音が気になる場合は、ジャンプを含む種目は避けます。

外を歩く15分も立派な運動

朝食前にホテルの周りを15分歩くと、歩数を稼ぎながら朝の光も浴びられます。時差の調整にもつながります。朝の散歩の効果と時間帯は朝の散歩のメリットで解説しています。

今日からやること

  1. 次の出張の出発時刻から逆算し、前夜の就寝時刻をカレンダーに入れる
  2. 出張用のポーチに耳栓・アイマスク・500mLの空ボトルを入れておく
  3. 移動中は1時間に1回かかとの上げ下ろし20回、2時間を超えたら一度立って歩く
  4. コーヒーは午前から昼過ぎまで、ホテルに戻ってからの追加の1杯はやめる
  5. ホテルの朝は10分の部屋トレか15分の散歩のどちらかを行う

FAQよくある質問

Q新幹線や飛行機の中で寝るのはよくないですか?

早朝移動で睡眠が足りない日は、車内で短く眠るのは合理的です。米国CDCは時差対策として20〜30分程度の短い仮眠が覚醒の助けになるとしています。ただし長く眠ると夜に寝つきにくくなります。座ったまま長く眠る場合は、起きたら足を動かし、水分もとりましょう。

Qホテルで寝つけないのは年齢のせいですか?

慣れない場所で最初の夜に眠りが浅くなる現象は「第一夜効果」と呼ばれ、年齢に関係なく起こります。研究では、初日の夜は脳の片側が警戒を保ち、物音で目覚めやすいことが報告されています。耳栓や照明の調整で、気になる刺激を減らすことが対策になります。

Q1泊2日の海外出張でも時差に合わせるべきですか?

CDCは、2日未満の短い滞在では新しい時間帯に合わせず、睡眠や食事の時間を自国の時間に近く保つことを勧めています。重要な会議の時間を、自国時間で頭が働きやすい時間帯に寄せられないかも検討しましょう。

参考資料

  1. 健康づくりのための睡眠ガイド2023 厚生労働省
  2. エコノミークラス症候群 予防のために 厚生労働省
  3. Jet Lag Disorder(CDC Yellow Book) Centers for Disease Control and Prevention
  4. Night watch in one brain hemisphere during sleep associated with the first-night effect in humans(Current Biology, 2016) Tamaki M, Bang JW, Watanabe T, Sasaki Y