05 ROUTINE 習慣・朝活

朝散歩のメリット・デメリットは?朝食前と朝食後どちらに歩くべきか

朝散歩の主なメリットは、朝の光で体内時計が朝型に整うこと、1日の活動量が増えること、夜の寝つきが良くなりやすいことです。デメリットは血圧や脱水への注意です。朝食前と朝食後のどちらに歩くかは体調と目的で選べば十分です。

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Business Athlete 編集部
朝日が差し込む玄関の土間に並べて置かれたウォーキングシューズと水の入ったボトル、腕時計

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Key Pointsこの記事の要点

  1. 朝散歩の主なメリットは、朝の光で体内時計が朝型に整う、1日の活動量が増える、夜の寝つきと気分にプラスになる、の3つ。
  2. デメリットは、起床直後の血圧や脱水、暑さ寒さへの注意が必要なこと。血圧が160/100mmHg以上の日は散歩程度にとどめる。
  3. 朝食前でも朝食後でも、体脂肪の減り方に大きな差は示されていない。空腹でふらつく人や薬で治療中の人は軽く食べてから歩く。
目次6
  1. 朝散歩の主なメリットは3つ
  2. 「セロトニンで集中力が上がる」はどこまで本当?
  3. 朝散歩のデメリットと注意点
  4. 朝食前と朝食後、どちらに歩くのがいい?
  5. メリットを引き出す歩き方
  6. 今日からやること

朝散歩の主なメリットは、朝の光で体内時計が朝型に整うこと、1日の活動量が増えること、夜の寝つきや気分にプラスになることの3つです。デメリットは、起床直後の血圧や脱水、季節ごとの暑さ寒さに注意が必要な点です。朝食前と朝食後のどちらに歩くかで体脂肪の減り方に大きな差は示されておらず、体調と続けやすさで選べば十分です。

朝散歩の主なメリットは3つ

1. 朝の光で体内時計が朝型に整う

朝散歩ならではのメリットは、運動と同時に朝の光を浴びられることです。

人の体内時計の周期は平均すると24時間より少し長く、放っておくと睡眠のリズムは少しずつ後ろにずれます。厚生労働省のe-ヘルスネットでは、朝に浴びた光には体内時計を早める(朝型にする)作用があると説明しています。

「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、起床後に朝日の強い光を浴びると体内時計がリセットされ、脳の覚醒度が上がるとしています。こうした効果は1,000ルクス以上の光で得られるとされ、外に出るのが確実な方法です。

夜なかなか寝つけない、朝がつらいという人ほど、このメリットを実感しやすいでしょう。室内の照明だけで朝を過ごし、外に出るのは駅までの数分という生活では、朝の光が足りていないことがあります。逆に夜は、スマホやパソコンの光を遅くまで浴びがちです。朝散歩は、この「朝に暗く、夜に明るい」という40代の会社員にありがちな光の浴び方を、意識して入れ替える習慣だと考えると分かりやすいでしょう。

2. 1日の活動量が底上げされる

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人に対し、歩行またはそれと同じ程度以上の身体活動を1日60分以上行うよう勧めています。歩数にすると1日約8,000歩以上に相当します。

デスクワーク中心の40代は、通勤以外にほとんど歩かない日も珍しくありません。同じガイドでは、1日10分身体活動を増やすことで、生活習慣病の発症や死亡のリスクが約3%下がると推測されています。

朝に15分歩けば、それだけで1日の活動量を確実に上乗せできます。夜は会食や残業で予定が読めない人でも、朝なら自分で時間を決められます。

3. 夜の寝つきと気分にもプラスになる

e-ヘルスネットでは、早歩きのような負担の少ない有酸素運動を習慣にすると、寝つきが良くなり、睡眠時間が延び、深い睡眠も増えると報告されていると紹介しています。

また、身体活動・運動ガイドでは、世界保健機関(WHO)のガイドラインを引用し、身体活動にはうつや不安の症状を軽くし、思考力や幸福感を高める働きがあるとしています。朝散歩に限った話ではありませんが、朝は予定に左右されにくく、習慣にしやすい時間帯です。

「セロトニンで集中力が上がる」はどこまで本当?

朝散歩の効果を「セロトニンが増えて集中力が上がり、感情も安定する」と説明する情報は多くあります。セロトニンは気分や睡眠に関わる脳内の物質で、光や運動との関係を調べた研究もあります。

ただし、朝散歩によってセロトニンが増え、その結果として仕事の集中力が上がる、という流れを直接確かめた質の高い研究は限られています。「怒りっぽい人はセロトニンが少ないと証明されている」といった言い切りにも、十分な根拠はありません。

確実に言えるのは次の2点です。

  • 朝の光が体内時計を整え、夜の眠りに良い影響を与えること
  • 定期的な身体活動が、気分や睡眠の改善に役立つこと

朝散歩のメリットは、仕組みの説明よりも「よく眠れて朝が楽になる」という実感で判断するのが確かです。

よくある誤解 「朝にバナナを食べると、含まれるトリプトファンが数十秒で脳に届いてセロトニンになる」という説明も見かけますが、根拠のある話ではありません。トリプトファンは肉、魚、大豆製品、乳製品などたんぱく質を含む食品に広く含まれます。特定の食品にこだわらず、たんぱく質を含む朝食を普通にとれば十分です。

朝散歩のデメリットと注意点

朝散歩は手軽な運動ですが、起床直後ならではの注意点があります。

デメリット起きやすい人対策
血圧が高い状態で歩いてしまう高血圧の人、治療中の人出る前に血圧を測り、基準を超えたら休む
脱水汗をかきやすい人、夏場出る前にコップ1杯の水を飲む
暑さ・寒さの負担夏の熱中症警報の日、冬の早朝時間帯をずらす、服装で調整する
疲れが残る運動に慣れていない人最初は5〜15分にとどめる
時間を取られる朝の予定が多い人通勤の一部を歩きに置き換える

血圧が高めの人に参考になるのが、身体活動・運動ガイドに示された目安です。血圧は5分以上安静にしてから測り、160/100mmHg以上なら散歩程度の軽い運動にとどめ、180/110mmHg以上なら運動を控えて休むとされています。

同じガイドでは、熱がある、体がだるい、睡眠不足で体調が悪い、二日酔いで体調が悪いといった日は、無理に運動しないよう勧めています。会食の翌朝は、歩く時間を短くするか休む判断も必要です。

朝散歩のために睡眠を削るのは逆効果

朝散歩の時間を作るために起床を早め、睡眠時間が6時間を切ってしまうと、本末転倒です。睡眠ガイドでは、成人は少なくとも6時間以上の睡眠を確保するよう勧めています。朝散歩は、今の起床時刻のまま、身支度の前後の10分を使うところから始めてください。

足腰への負担にも気を配る

体重が重めの人や運動から長く離れていた人は、急に長い距離を歩くと膝や腰を痛めることがあります。身体活動・運動ガイドでも、肥満の場合は運動で関節などを痛めやすいので注意するよう書かれています。クッション性のある歩きやすい靴を選び、距離や時間は少しずつ増やしてください。

靴を新しくするなら、かかとにクッションがあり、つま先側が曲がりやすいウォーキング用を選びます。つま先に1cm前後の余裕があるサイズが目安です。

受診の目安 歩いている途中に胸の痛み、動悸、めまいやふらつき、冷や汗が出たら、すぐに歩くのをやめてください。症状が続く場合や繰り返す場合は、医療機関を受診してください。

健康診断で血圧を指摘された人は、40代の血圧が高いと言われたらもあわせて確認してください。

朝食前と朝食後、どちらに歩くのがいい?

「朝食前に歩くと脂肪が燃えやすい」という話はよく聞きます。空腹時の運動では、運動中に脂肪が使われる割合が高くなるとされています。

ただし、体脂肪の量が実際に変わるかは別の問題です。2014年に発表された研究では、減量用の食事をとる若い女性20人を、朝食前に運動する群と朝食後に運動する群に分け、4週間比べました。どちらの群も体重と体脂肪は減りましたが、群の間に差は見られませんでした。対象が少ない研究ですが、朝食前にこだわる必要はないと考えてよいでしょう。

それぞれの向き不向きを整理すると次のとおりです。

タイミング向いている人注意点
朝食前起きてすぐ外に出たい人、朝食を家族とそろえたい人水分をとってから出る。ふらつく日は軽く食べる
朝食後空腹だと力が出ない人、食後の眠気を払いたい人食べてすぐより、少し時間を空けると歩きやすい

糖尿病などで血糖を下げる薬を使っている人は、空腹時の運動で低血糖を起こすことがあります。歩くタイミングは主治医に相談してください。

どちらを選ぶ場合も、朝食そのものは抜かないことが大切です。睡眠ガイドでは、朝食も朝の光と同じように体内時計の調整に関わり、1週間ほど朝食を抜くと体内時計が遅れる方向に動いたという報告を紹介しています。朝食の時間帯については朝食は何時に食べるのがいい?で詳しく扱っています。

メリットを引き出す歩き方

朝散歩の効果を感じやすくするための目安をまとめます。

  1. 起きてから早めに外へ出る。朝の光を浴びることが朝散歩の一番の目的になる
  2. 最初は5〜15分。慣れたら20〜30分に延ばす
  3. 週2〜3回から始め、無理なく続く回数を探る
  4. 背筋を伸ばし、少し息が弾む程度の速さで歩く
  5. 出る前に水を1杯飲み、暑い日は帽子と飲み物を持つ

身体活動・運動ガイドでは、普通の速さの歩行を3メッツ(安静時の3倍のエネルギーを使う強さ)としています。会話はできるが少し息が弾む程度の早歩きにすると、短い時間でも活動量を稼げます。

時間がない日は通勤を朝散歩にする

朝に散歩の時間を別に取れない日は、通勤の一部を朝散歩に置き換えます。

  • 最寄り駅の一つ手前で降りて歩く
  • 駅までの道は、日の当たる側の歩道を選ぶ
  • エスカレーターではなく階段を使う
  • 在宅勤務の日は、始業前に家の周りを一周して「通勤」の代わりにする

外を歩いて朝の光を浴びるという点では、通勤の徒歩も朝散歩と同じ役割を果たします。わざわざ時間を作るより、今の生活に組み込むほうが続く人も多いはずです。

続けたかどうかを記録する

効果を感じにくい人は、歩いた日と歩かなかった日で、寝つきや朝の目覚めを比べてみてください。スマホの歩数計で歩数を見るだけでも、1日の活動量が増えていることが分かり、続ける動機になります。

歩く時間帯や季節ごとの工夫、雨の日の考え方は、朝散歩は何時がいい?雨・曇り・日の出前の効果で詳しく紹介しています。

今日からやること

  1. 明日の朝、起きてから早めに外へ出て10分歩く
  2. 出る前にコップ1杯の水を飲み、血圧が高めの人は測ってから出る
  3. 朝食の前後は、ふらつかないほうを選ぶ。朝食そのものは抜かない
  4. 2週間続けて、寝つきと朝の起きやすさの変化をメモする
  5. 体調が悪い日や会食の翌朝は、短くするか休むと最初から決めておく

FAQよくある質問

Q朝散歩で痩せることはできますか?

朝散歩だけで体重が大きく減ることは期待しにくいです。ただし歩行は中強度の身体活動にあたり、1日の活動量を増やす手段として役立ちます。食事の見直しと組み合わせることで、体重管理の土台になります。

Q朝食前に歩いたほうが脂肪は燃えますか?

空腹時の運動では運動中に脂肪が使われやすいとされますが、食事量をそろえて4週間比べた研究では、朝食前と朝食後で体脂肪の減り方に差は見られませんでした。続けやすいほうを選ぶのが現実的です。

Q高血圧でも朝散歩をしてもいいですか?

治療中の人は、まず主治医に相談してください。厚生労働省のガイドでは、運動前の血圧が160/100mmHg以上なら散歩程度の軽い運動にとどめ、180/110mmHg以上なら運動を控えて休むよう示しています。

Q朝散歩は何分歩けばいいですか?

最初は5〜15分で十分です。疲れが残らず、歩き終えて気分が良いと感じる程度が目安になります。慣れてきたら20〜30分に延ばし、少し息が弾む速さで歩くと身体活動としての意味も大きくなります。

参考資料

  1. 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 厚生労働省
  2. 健康づくりのための睡眠ガイド2023 厚生労働省
  3. 快眠と生活習慣(e-ヘルスネット) 厚生労働省
  4. Body composition changes associated with fasted versus non-fasted aerobic exercise(Journal of the International Society of Sports Nutrition, 2014) Schoenfeld BJ, Aragon AA, Wilborn CD, Krieger JW, Sonmez GT