瞑想は寝ながらでも効果ある?寝る前のやり方とアプリの選び方
瞑想は寝ながらでもできます。寝る前のマインドフルネス瞑想は、睡眠の質の改善に中程度の根拠がありますが、すべての人に効く方法ではありません。研究でわかっていること、ボディスキャンの手順、眠れないときのコツ、アプリの選び方をまとめました。
Key Pointsこの記事の要点
- 寝ながらの瞑想でも、呼吸や体の感覚に注意を向ける練習になり、そのまま眠ってしまっても問題ありません。
- マインドフルネス瞑想は睡眠の質の改善に中程度の根拠がありますが、不眠の治療法より優れているとは言えません。
- 眠ろうと頑張るほど目がさえるので、眠れないときはいったん寝床を離れ、眠気が来てから戻ります。
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瞑想は寝ながらでもできます。仰向けで呼吸や体の感覚に注意を向ければ、座って行うのと同じく瞑想の練習になります。寝る前のマインドフルネス瞑想には、睡眠の質の改善について中程度の根拠があります。ただし不眠の治療法より優れているわけではなく、すべての人に効く方法でもありません。眠ってしまってもかまわない、くらいの気持ちで続けるのがコツです。
結論:寝ながらでも瞑想はできる。眠ってしまってもいい
瞑想というと、あぐらを組んで背すじを伸ばす姿を思い浮かべるかもしれません。ですが瞑想の中身は、一つの対象に注意を向け、それたら戻すという練習です。姿勢は座っていても、寝ていてもかまいません。
寝ながら行う瞑想には、次のような利点があります。
- 布団に入ったまま始められるので、時間を新たに確保しなくていい
- 背すじを保つ必要がなく、姿勢に気を取られにくい
- 体全体が布団に触れているので、体の感覚やお腹の動きを感じやすい
寝る前に行う目的が寝つきを良くすることなら、途中で眠ってしまうのは自然な結果です。一方、注意力を鍛える練習として行いたいなら、朝や日中に座って行う瞑想を別に設けるとよいでしょう。
ただ横になっているのと何が違う?
布団に入ると、多くの人は自然とその日の出来事や明日の予定を考え始めます。「あの会議の発言はまずかったか」「明日の商談の資料は足りているか」といった考えが、次々につながっていく状態です。
寝ながら瞑想では、こうした考えに気づいたら、呼吸や体の感覚に注意を戻します。考えを無理に止めるのではなく、考えの連鎖から少しずつ降りていくイメージです。ただ横になって考えごとを続けるのとは、注意の向け先が違います。
筆者も、寝る前に寝ながらの瞑想を取り入れています。歯みがきやトイレなど寝る準備をすべて済ませてから始めると、そのまま眠りに入りやすいと感じています。
寝る前の瞑想は睡眠に効く?研究でわかっていること
睡眠の質が改善したという研究がある
米国で、睡眠に悩む高齢者49人を2つのグループに分けた2015年の試験があります。一方は6週間のマインドフルネス講座、もう一方は睡眠衛生(寝室環境や生活習慣)の講習を受けました。
睡眠の質の評価(ピッツバーグ睡眠質問票、点数が低いほど良好)は次のように変わりました。
| グループ | 開始時 | 6週間後 |
|---|---|---|
| マインドフルネス講座 | 10.2点 | 7.4点 |
| 睡眠衛生の講習 | 10.2点 | 9.1点 |
マインドフルネスのグループでは、不眠の症状や日中の疲労感も改善しています。ただし対象は平均66歳で、人数も少ない研究です。
ただし、不眠の治療法より優れているわけではない
18件の臨床試験をまとめた2019年の分析では、マインドフルネス瞑想は「時間をそろえた別の活動」と比べると、睡眠の質を改善する中程度の根拠がありました。一方、認知行動療法など確立された不眠の治療法と比べると、差は見られませんでした。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」も、瞑想法や静かに行うヨガ、腹式呼吸などのリラクゼーション法は入眠を促す可能性があるとしています。同時に、すべての人に効果が保証された方法はなく、人によってはかえって目がさえる場合もあると注意しています。
寝る前の瞑想は、「試す価値のある方法の一つ」で、眠りを保証するものではないと考えてください。
寝ながら瞑想のやり方:10分のボディスキャン
寝る前には、体の各部位に順番に注意を向ける「ボディスキャン」が向いています。
- 仰向けになり、腕は体から少し離して手のひらを上に向け、足は腰幅に開く
- 目を閉じ、お腹のふくらみとへこみに注意を向けて数回呼吸する
- 左足のつま先に注意を向け、温かさや布団に触れる感覚を確かめる
- 足の裏、ふくらはぎ、ひざ、太ももと、少しずつ注意を上へ移す
- 右足も同じように確かめたら、お尻、腰、お腹、胸、背中へ進む
- 両手の指先から肩、首、顔、頭まで注意を移す
- 最後に体全体が呼吸している感覚を感じ、そのまま眠りに入る
感覚がよくわからない部位があっても問題ありません。「よくわからない」と確認して次へ進みます。考えごとが浮かんだら、今注意を向けていた部位に戻りましょう。
朝、目が覚めたときの3分版
目覚めてすぐ起き上がれないときは、布団の中で3分だけ呼吸に注意を向けるのもよい方法です。ただし二度寝しやすいので、3分たったら体を起こし、続きは座って行いましょう。
疲れている夜の1分版
会食や残業で帰りが遅く、10分も続ける気力がない夜は、次の1分版で十分です。
- 仰向けで、ゆっくり3回呼吸する
- 吐く息に合わせて、肩、顎、眉間の力を順に抜く
- 両手のひらの温かさを感じたまま、目を閉じて眠りに任せる
完璧なボディスキャンより、毎晩少しでも続けることのほうが習慣になりやすくなります。
寝ながらできる瞑想の種類と選び方
寝ながらできる方法はいくつかあります。好みや目的で選んでください。
| 方法 | やること | 向いている人 |
|---|---|---|
| 呼吸に注意を向ける瞑想 | お腹の動きなど呼吸の感覚を感じ続ける | 手順が少ないほうがいい人 |
| ボディスキャン | 体の部位を順に感じていく | 考えごとが多い人 |
| 誘導音声つきの瞑想 | 音声の案内に従って体や呼吸を感じる | 一人だと集中しにくい人 |
| シャバーサナ | ヨガの最後に行う仰向けで休む姿勢 | ヨガやストレッチの後に行いたい人 |
ヨガの流れで行われる「ヨガニードラ」も、案内に従って体の感覚に順に注意を向けていく方法で、誘導音声つきの瞑想の一種と考えてよいでしょう。寝る前の軽いストレッチと組み合わせたい人は、寝る前のストレッチの記事も参考にしてください。
眠れないときに逆効果にならないコツ
寝る前の瞑想で気をつけたいのは、「瞑想すれば眠れるはず」と力むことです。睡眠ガイド2023によると、眠気が来ていないのに無理に眠ろうとすると、脳の興奮がかえって高まり、寝つきが悪くなることがあります。
次の点を意識してください。
- 寝る1時間前から仕事をしない:メールの確認や資料作りは、寝床に入る1時間前までに終える
- 眠れなくても瞑想を続けようとしない:眠れないときは、いったん寝床を離れ、静かで暗めの場所で過ごし、眠気が来てから戻る
- 寝室を暗く静かにする:照明を落とし、スマホは手の届かない場所に置く
- 入浴は就寝の1〜2時間前に:体を温めてから寝床に入ると寝つきやすい。お風呂での瞑想は瞑想浴の記事で紹介しています
会食でお酒を飲んだ夜は、寝つきは良くても眠りが浅くなりがちです。瞑想で補おうとするより、飲酒量を控えるほうが確実です。睡眠時間そのものが足りているかは、40代男性の睡眠時間の記事で確認してみてください。
受診の目安 寝つけない、夜中に何度も目が覚めるといった状態が続き、日中の仕事に支障が出ている場合は医療機関に相談してください。家族に大きないびきや呼吸の停止を指摘された場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性もあるため、早めの受診をおすすめします。
瞑想アプリ・音声の選び方
一人で行うと集中しにくい人は、誘導音声のある瞑想アプリやオンラインの音声を使うと続けやすくなります。選ぶときは、次の点を確認しましょう。
- 声と話すスピード:聞いていて落ち着くかどうか。無料の音声で試してから決める
- 音声の長さ:寝る前用に10〜20分程度の音声があるか
- 画面を見ずに使えるか:再生したら画面を消せる、タイマーで自動停止できる
- 料金:無料で使える範囲と、有料プランの料金・解約方法
眠ってしまう前提なら、イヤホンをつけたままにするより、スマホのスピーカーから小さめの音量で流し、終わったら自動で止まるように設定しておくと安心です。
寝る前向けの音声がある日本語のアプリには、スタジオ・ヨギーの寝たまんまヨガ 簡単瞑想、ホットヨガスタジオLAVAのMEISOON(メイスーン)、Meditopia(メディトピア)などがあります。内容や料金は変わることがあるため、公式サイトで最新の情報を確認してください。アプリの比較は瞑想アプリの記事でも紹介しています。
今日からやること
- 今夜、寝る準備をすべて済ませてから、布団の中で10分のボディスキャンをする
- 寝る1時間前にはメールや仕事の資料を閉じる
- 誘導音声を使うなら、再生したらスマホの画面を伏せて手の届かない場所に置く
- 眠れないときは無理に続けず、いったん寝床を離れて眠気を待つ
- 不眠が続き日中に支障がある場合は、医療機関に相談する
FAQよくある質問
Q寝ながら瞑想して眠ってしまったら意味がないですか?
寝る前に行う目的が「寝つきを良くすること」なら、眠ってしまうのはむしろ自然な結果です。注意力を鍛える練習として行いたい場合は、朝や日中に座って行う瞑想を別に設けると、目的に合わせて使い分けられます。
Q寝ながら瞑想は毎晩何分やればいいですか?
10〜15分が目安です。睡眠に悩む人を対象にした研究では、自宅練習を1日5分から始め、少しずつ20分まで延ばしていました。誘導音声を使う場合は、音声の長さに合わせて途中で眠ってしまってもかまいません。
Q瞑想アプリを使うとスマホの光で眠れなくなりませんか?
画面の光は眠りを妨げる可能性があります。音声を再生したら画面を伏せる、画面が消えるまでの時間を短くする、寝室に持ち込むならスマホを手の届かない場所に置くなどの工夫をしてください。
Q不眠に悩んでいます。瞑想で治りますか?
瞑想で睡眠の質が改善したという研究はありますが、不眠症の治療法として確立されたものではありません。眠れない状態が続き日中の仕事に支障がある場合や、大きないびきや呼吸の停止を指摘された場合は、医療機関に相談してください。
参考資料
- Mindfulness Meditation and Improvement in Sleep Quality and Daytime Impairment Among Older Adults With Sleep Disturbances(JAMA Internal Medicine, 2015) Black DS, et al. / PubMed Central
- The effect of mindfulness meditation on sleep quality: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials(Annals of the New York Academy of Sciences, 2019) Rusch HL, et al. / PubMed Central
- 健康づくりのための睡眠ガイド2023 厚生労働省
- Meditation and Mindfulness: Effectiveness and Safety 米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)