03 RECOVER 睡眠・回復

40代男性の理想の睡眠時間は何時間?国の睡眠ガイドが示す目安と確保のコツ

40代男性の睡眠時間は、厚生労働省の睡眠ガイド2023に沿えば6時間以上が目安で、6〜8時間が適正範囲です。40代男性の約半数が6時間未満という実態と、朝の休養感で足りているかを見分ける方法、時間を確保する逆算のコツをまとめます。

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Business Athlete 編集部
早朝の寝室のサイドテーブルに置かれたアナログの目覚まし時計と、たたんだワイシャツと腕時計

Key Pointsこの記事の要点

  1. 厚生労働省の睡眠ガイド2023は、成人に6時間以上を目安とした睡眠時間の確保を勧め、6〜8時間を適正範囲としている。
  2. 令和元年の国の調査では40代男性の48.9%が6時間未満で、睡眠の妨げの1位は仕事だった。
  3. 足りているかは時間だけでなく、朝に休まった感覚(睡眠休養感)と日中の眠気で判断する。
目次7
  1. 40代男性の理想の睡眠時間は何時間?
  2. 40代で睡眠が短くなったと感じるのはなぜ?
  3. 睡眠が足りているかはどう見分ける?
  4. 6時間以上を確保するには?就寝時刻を逆算する
  5. 睡眠休養感を上げるには何を変える?
  6. 病院に相談したほうがよいのはどんなとき?
  7. 今日からやること

40代男性の睡眠時間は、6時間以上を最低ラインに、6〜8時間の範囲で自分に合う長さを探すのが答えです。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が、成人にこの目安を示しています。40代で「短くなった」と感じるのは加齢の影響もありますが、実際には仕事で睡眠を削っている人が多いのが実態です。時間とあわせて、朝に休まった感覚があるかで足りているかを判断しましょう。

40代男性の理想の睡眠時間は何時間?

結論は「6時間以上が目安、適正範囲はおおよそ6〜8時間」です。睡眠ガイド2023の成人向けの推奨事項は、次の3つです。

  1. 適正な睡眠時間には個人差があるが、6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保する
  2. 食生活や運動などの生活習慣、寝室の環境を見直して、睡眠休養感を高める
  3. 睡眠の不調や休養感の低下が続く場合は、病気が潜んでいる可能性にも留意する

ガイドは、自己申告に基づく複数の調査から、7時間前後の睡眠の人が生活習慣病やうつ病、死亡のリスクが最も低いと紹介しています。一方で、6時間未満でも足りる人もいれば、8時間以上必要な人もいます。そのため、8時間より1時間ほど長い睡眠も適正範囲に含めています。

よくある誤解 「深い眠りが3時間とれれば十分」という説を見かけますが、これを裏づける公的な根拠は見当たりません。ガイドは、睡眠時間が6時間未満になると死亡リスクが有意に上がるという、約92万人分のデータの解析結果を紹介しています。

短い睡眠が続くと何が起きるか

睡眠ガイド2023が紹介する日本の男性労働者の研究には、次のようなものがあります。

  • 約4万人を7年間追跡した研究:1日5時間未満の人は5時間以上の人に比べ、肥満になるリスクが1.13倍、メタボリックシンドロームの発症リスクが1.08倍
  • 2,282人を14年間追跡した研究:1日6時間未満の人は7〜8時間の人に比べ、心筋梗塞や狭心症などの発症リスクが4.95倍

いずれも観察研究なので、短い睡眠だけが原因とは言い切れません。それでも、健康診断の数値が気になり始めた40代にとって、睡眠時間は見直す価値のある項目です。

40代で睡眠が短くなったと感じるのはなぜ?

理由は大きく2つあります。加齢による変化と、仕事による睡眠不足です。

加齢で眠れる時間そのものが少し短くなる

ガイドが紹介する脳波を使った研究では、夜に実際に眠れる時間は年齢とともに減ります。15歳前後で約8時間、25歳で約7時間、45歳で約6.5時間、65歳で約6時間です。成人後は20年ごとに30分ほど短くなる計算です。また、年齢とともに早寝早起きの朝型に傾き、この傾向は特に男性で強いとされています。

20代の頃より眠れる時間が少し減るのは自然なことです。ただし「45歳で約6.5時間」は平均的な目安です。6時間を切っても平気という意味ではありません。

40代男性の約半数が6時間未満

令和元年の国民健康・栄養調査で、40〜49歳男性の1日の平均睡眠時間は次の分布でした。

1日の平均睡眠時間40〜49歳男性の割合
5時間未満11.9%
5時間以上6時間未満37.0%
6時間以上7時間未満34.9%
7時間以上8時間未満13.6%
8時間以上2.6%

6時間未満は合計48.9%で、ほぼ2人に1人です。同じ調査で、40代男性が挙げた睡眠確保の妨げの1位は「仕事」(38.8%)でした。2位は「就寝前に携帯電話、メール、ゲームなどに熱中すること」(18.2%)です。

ガイドは労働時間との関係も紹介しています。男性では、1日の労働時間が7〜9時間の人に比べ、9時間以上の人は睡眠が6時間未満になるリスクが2.76倍、11時間以上では8.62倍でした。「年齢のせいで眠れない」より先に、「時間が足りていない」可能性を疑うべきです。

睡眠が足りているかはどう見分ける?

時間だけでは判断できません。ガイドは、睡眠の質の指標として「睡眠休養感」(睡眠で休養がとれている感覚)を重視しています。次のチェックで確かめてください。

チェック項目当てはまるときの意味
朝起きたとき、休まった感覚がない睡眠の量か質が足りていない可能性
午前の会議や運転中に強い眠気が来る慢性的な睡眠不足のサイン
休日は平日より2時間以上長く寝る平日の睡眠が足りていないサイン
寝床で長く過ごしても休んだ感じがない睡眠障害が隠れている可能性

令和元年の調査では、40代男性の32.6%が「日中、眠気を感じた」と答えています(週3回以上)。

自分の睡眠時間は正確に把握できているか

「6時間は寝ている」という自己申告は、実際より長めになりがちです。ガイドは、自覚している睡眠時間は寝床にいた時間(床上時間)を反映しやすく、やや不正確な可能性があると説明しています。寝床でスマートフォンを見ていた時間や、寝つくまでの時間も含めて数えてしまうためです。

腕時計型などの計測機器も普及していますが、ガイドは安価な機器の計測精度は十分とは言い難いとしています。数値は目安として使い、朝の休養感と日中の眠気という自分の感覚とあわせて判断しましょう。1週間ほど、寝床に入った時刻と起きた時刻、朝の休養感(よい・ふつう・悪い)をメモするだけでも傾向はつかめます。

週末の寝だめでは取り戻せない

ガイドは「眠りをためることはできない」としています。40〜64歳を対象にした調査では、平日に6時間以上寝ている人に限り、休日の1時間程度の寝だめが寿命短縮リスクを下げていました。一方、平日6時間未満の人は、寝だめをしてもリスクが高いままでした。平日6時間以上でも、休日に2時間以上の寝だめが習慣の人はリスクが軽減されていません。

休日に起きる時間が大きく遅れると、体内時計がずれて時差ボケに似た状態になります。ガイドの内容をふまえ、休日の起床は平日プラス1時間程度までにとどめるのがおすすめです。

6時間以上を確保するには?就寝時刻を逆算する

忙しい40代が睡眠時間を確保するには、「何時に寝るか」ではなく「何時に起きるか」から逆算するのが確実です。下の表は、寝床に入ってから眠るまでに15分ほどかかる前提で計算しています。

起床時刻確保したい睡眠寝床に入る時刻の目安
6:006時間30分23:15ごろ
6:306時間30分23:45ごろ
7:007時間23:45ごろ

寝床に入る時刻が決まったら、そこから帰宅後の流れを組み立てます。ガイドの内容をもとにすると、次の順番が目安です。

  1. 就寝の2〜4時間前まで:ジムなど強めの運動を終える
  2. 就寝の1〜2時間前:入浴して体を温める
  3. 就寝の1時間前:仕事のメールやパソコンを閉じ、照明を落とす
  4. 寝床に入る:スマートフォンは寝室に持ち込まない

ガイドは、寝床に就く前に少なくとも1時間は仕事などに追われずリラックスする時間をとることを勧めています。入浴の効果と湯温については、入浴のタイミングを解説した記事も参考にしてください。

ポイント 会食や出張で就寝が遅れる日は、起床時刻を大きく動かさないのが基本です。足りない分は、翌日の早めの就寝や、午後の早い時間の短い仮眠で補いましょう。仮眠のとり方は午後の眠気と昼寝の記事にまとめています。

夕食後の食器洗いや洗濯で就寝が遅れるなら、時短家電で家事の時間を減らすのも一つの手です。

睡眠休養感を上げるには何を変える?

時間を確保したうえで、眠りの質を下げる要因を減らします。睡眠ガイド2023に基づく主な対策は次のとおりです。

光:朝は浴び、夜は減らす

起床後に朝日を浴びると体内時計がリセットされます。ガイドによると、日中に1,000ルクス以上の光を浴びると夜のメラトニン(眠りを促すホルモン)の分泌が増えます。メラトニンは就寝の約2時間前から分泌が始まり、その時間帯に照明やスマートフォンの強い光を浴びると抑えられます。朝は通勤で一駅歩く、在宅勤務なら窓際で仕事をするなどの工夫が使えます。

食事:朝食をとり、就寝直前の夜食を控える

朝食を抜くと体内時計が遅れやすく、睡眠休養感の低下と関連することがわかっています。就寝前の夜食も同じように体内時計を遅らせます。帰りが遅い日は、夕方に主食を軽くとり、帰宅後はおかずを少量にする「分食」をガイドは勧めています。食べ物の選び方は睡眠の質と食べ物の記事で詳しく扱っています。

カフェインとお酒:夕方以降は控える

カフェインは1日400mgを超えないことが目安です。日本人の血中半減期は3〜7時間とばらつきがあり、夕方以降に100mg以上とると寝つきの悪化や中途覚醒につながります。お酒は寝つきを一時的によくしますが、睡眠の後半の眠りを悪化させます。眠るためのお酒(寝酒)は勧められていません。

塩分:夜中のトイレを減らす

日中にとりすぎた塩分は睡眠中に排出されるため、夜間の排尿回数が増えます。ガイドは、日頃の減塩で夜中に目覚める回数が減ることが期待できるとしています。会食で塩辛い料理が続く人は意識しておきたい点です。

病院に相談したほうがよいのはどんなとき?

生活を見直しても睡眠休養感が戻らないときは、睡眠障害が隠れている可能性があります。ガイドが最も注意すべきとしているのは閉塞性睡眠時無呼吸です。この病気は日中の眠気以外の自覚症状が乏しいこともあり、50代以降で増えます。

受診の目安 次のいずれかが続く場合は、睡眠外来や呼吸器内科、かかりつけ医に相談してください。

  • 大きないびきや、睡眠中の呼吸の停止を家族に指摘された
  • 十分に寝床にいても休んだ感じがしない
  • 会議中や運転中に居眠りしてしまう
  • 寝つけない、夜中に何度も目が覚める状態が続き、日中の仕事に影響している

眠れないことへの不安が強いときは、寝床で無理に眠ろうとせず、いったん寝床を離れるほうがよいとガイドは説明しています。気持ちを落ち着ける方法として、寝る前の瞑想の記事も参考になります。

今日からやること

  1. 平日の起床時刻を決め、6時間以上眠れる「寝床に入る時刻」を逆算する
  2. 明日の朝、起きたときに休まった感覚があるかを1週間記録する
  3. 就寝1時間前にパソコンを閉じ、スマートフォンを寝室の外で充電する
  4. コーヒーやエナジードリンクは夕方以降に飲まない
  5. いびきを指摘されたことがあるなら、次の健康診断や受診の機会に相談する

FAQよくある質問

Q40代男性は何時間寝ればいいですか?

厚生労働省の健康づくりのための睡眠ガイド2023では、個人差を前提に6時間以上を目安とし、おおよそ6〜8時間を適正な睡眠時間としています。まず6時間を下回らないことを最低ラインにし、朝の休養感と日中の眠気を見ながら自分に必要な時間を探るのが現実的です。

Q5時間睡眠でも深く眠れていれば大丈夫ですか?

深く眠れれば短くてよい、という根拠ははっきりしていません。睡眠ガイド2023は、6時間未満の睡眠が肥満や心血管疾患、死亡リスクの上昇と関連する研究を紹介しています。質を高める工夫は大切ですが、量の不足を質で完全に補えるとは考えないほうが安全です。

Q平日の睡眠不足を週末の寝だめで取り戻せますか?

睡眠ガイド2023では、眠りをためることはできないとしています。平日6時間未満の人は休日に寝だめをしても寿命短縮リスクが高い状態が続き、平日6時間以上でも休日に2時間以上の寝だめが習慣の人はリスクが軽減されないと報告されています。平日の時間確保が基本です。

Qどんな症状があれば病院に行くべきですか?

十分に寝床にいても休んだ感じがしない、日中の強い眠気で居眠りをする、大きないびきや睡眠中の呼吸停止を家族に指摘された場合は、閉塞性睡眠時無呼吸などの睡眠障害の可能性があります。生活を見直しても続くなら、睡眠外来や呼吸器内科などに相談してください。

参考資料

  1. 健康づくりのための睡眠ガイド2023 厚生労働省(健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会)
  2. 令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要 厚生労働省
  3. 成人のためのGood Sleepガイド(健康づくりのための睡眠ガイド2023) 厚生労働省

この記事は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療に代わるものではありません。持病のある方、服薬中の方、体調に不安のある方は、医師などの専門家に相談してください。